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3年後にNTT分離再検証も

 1年がかりの議論が続いてきた「光の道・構想」の最終報告書作りが大詰めを迎えた。本報告の2大争点のひとつである「NTTのアクセス網の構造分離」については、光ファイバー網の普及具合を見ながら、3年後の2013年をめどに、その必要性を再検証する案が最有力となっている模様だ。

テレコミュニケーション January 2011


石原都知事のアニメ規制は正論か

 東京都議会は、漫画やアニメの規制強化を盛り込んだ「青少年の健全な育成に関する条例」改正案を可決した。しかし、本来、行政は「表現・言論の自由」のチェックを受ける立場にある。規制をかけるならば、行政機関から独立した、民意を尊重しやすい組織が主体にふさわしい。

夕刊フジ 2010/12/23


税制改正失敗の根本原因

 民主党政権が初めてゼロから取り組む税制改正は、抜本改革への期待を集めたが、結果は惨めなものに。こども手当などの財源確保のため、富裕層を狙い撃ちにした帳尻合わせの増税を柱に据えようとしている。今夏の参院選時の菅首相の不用意な発言が最後まで尾を引いた格好だ。

夕刊フジ 2010/12/16


「光の道」もう一つの問題

 もはや先進国では当たり前の「周波数オークション(入札)」の導入が、10年以上も先送りされようとしている。入札方式を導入すれば、携帯電話で1〜2兆円という国庫の増収が期待できる。官僚が抵抗する背景には、裁量や付随予算の既得権を保持したいとの思惑が働いているようだ。

夕刊フジ 2010/12/9


逓信協会雑誌(2010/12) 

 テレビの広告媒体としての価値を示すものさし「視聴率」がターニングポイントにある。クライアントに提供できる広告の機会が、番組広告とスポット広告の二つにとどまらなくなったことが背景にある。「攻め」の視聴率を作り出せるかが、今後のテレビ局の命運を左右するかもしれない。
攻めの視聴率を構築できるか?ネット時代のテレビの試練 


日本郵政変わらぬ構造的欠陥

 長期低落傾向に歯止めをかけることが期待される日本郵政だが、2010年9月中間期は、最終利益が前年同期比17.8%減の1651億円に縮小した。郵便事業と郵便局の物流2社の不振が一段と深刻になり、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の金融2社の収益力による穴埋めに限界が見えてきた。

夕刊フジ 2010/12/2


電波オークション、上限価格を設定か

 光ファイバー網の整備と並ぶ「光の道」構想の目玉である「電波オークション」の概要が明らかになった。本格的なオークション導入を見送り、周波数の利用者の立ち退き費用に焦点を絞った疑似オークション制度を実験的に導入するというもの。落札価格に上限を設ける案も有力になっている。

テレコミュニケーション December 2010


出口が見えない「通貨安戦争」と「中国資源ナショナリズム」の先には「本当の戦争」が待つ

 歴史的な経済危機が直撃した米欧が金融緩和にひた走る。「為替戦争」と称される通貨切り下げ競争や、先進国と新興国の間での貿易不均衡が解消される目途は立たない。そして、こうした状況は、第2次世界大戦の遠因となった1929年の大恐慌後の状況と不気味に共通点が多い。

SAPIO(2010/12/15)


不気味な「京都議定書」延長論議 日本の重い負担さらに続く?

 温暖化ガスの削減効果が乏しいにもかかわらず、日本に重責を課している京都議定書が延長される可能性が出てきた。外交下手の日本は、議長国として国際会議の成功を演出したい一心で、1997年の京都会議で率先して突出した譲歩案を表明、毎年、巨額の排出権購入を続けてきた。

夕刊フジ 2010/11/25


浮上する発泡酒増税論議

 10月のたばこに続き、今度は「庶民の酒」が実質的な増税にさらされるリスクが高まってきた。例外措置の優遇税制を利用して韓国製の発泡酒が売り上げを伸ばし、国内勢を圧迫している現状を改めようというのがそもそもの狙いだが、「金麦」などの「第3のビール」も巻き添えになる。

夕刊フジ 2010/11/18


TPPは「最後の救命ボート」日本の成功に必要な策とは

 日本はTPPを単なる関税撤廃同盟にとどめず、食糧安全保障のための国際的な補助金制度の標準を作る場とするよう逆提案することで、農業関係者の後押しを得る道を探るべきだ。また、保護主義の目立つ中国に対して、そうした振る舞いの再考を促すTPPの枠組み作りも重要だ。

夕刊フジ 2010/11/10


羽田 国際空港復帰の教訓 競争力失わせた航空行政の呪縛

 羽田がようやく国際空港として甦った。しかし、その位置付けは「成田の補完」という中途半端なもの。依然として滑走路や飛行可能空域は十分とはいえず、高い空港着陸料、日本の航空会社にかかる重い航空機燃料税など問題は多い。航空行政の呪縛から解き、世界の空港と競わせる体制が必要だ。

夕刊フジ 2010/10/28


「光の道」の争点は電波入札にシフト?

 菅内閣の改造が「光の道構想」に影響を与えそうだ。総務大臣の交代で光ファイバー網への政治的な拘りが無くなり、光の道をケーブルテレビ網や無線のネットワークも取り込んだた多層的なネットワークとして構築する案が勢い付いている。NTTの構造分離関係の立法も、見送られる公算だ。

テレコミュニケーション November 2010


ノーベル賞あと20〜30人は取れる?

 00年以降の受賞者が10人(米国籍の南部氏を含む)となり、それ以前の50年(8人)を上回った。たが、喜んでばかりはいられない。理系の受賞者のほとんどが欧米での研究経験の持ち主で、海外での武者修行は重要だが、若い日本人の留学や渡航は減少の一途。研究開発投資も削減一辺倒だ。

夕刊フジ 2010/10/21


人民元だけではない!「保護主義」中国の武器

 中国の途上国と見まがうほどの保護主義政策は、為替レートに限ったことではない。工業製品には高い関税がかけられ、現地生産にも広範な外資規制がある。保護主義には輸出企業を支援する効果があるが、経済力に見合った豊かさを消費者が享受することを阻害するという副作用がつきものだ。

夕刊フジ 2010/10/14


漁船衝突より深刻な尖閣問題 ガス田採掘まで始めた中国

 外交・防衛筋や元閣僚への取材から、深刻な事態が伏せられていることが浮かび上がった。尖閣諸島に近い海底ガス田「白樺」を共同開発するという日中の合意を破られたにもかかわらず、鳩山、菅内閣がそろって生ぬるい対応を繰り返したことが中国を勢いづかせ、採掘まで始めたというのだ。

夕刊フジ 2010/10/7


ネット企業に押される「放送産業」民主主義社会のインフラは守れるか?

 広告収入を経営の大黒柱にしてきた伝統的なマスメディアが今、存亡の危機に直面している。この現象には、単なる企業や産業の栄枯盛衰物語と片付けることのできない問題がある。民主主義や自由主義経済が、根幹を揺さぶられかねない深刻な事態を迎えていると言っても過言ではないだろう。

逓信協会雑誌 2010/10


尖閣が日本に示した中国の2つの教訓

 第一のポイントは初動だ。逮捕と国外退去にとどめず、拘置や拘置延長に踏み込んだものの、どれほどの戦略性と覚悟があったのか。中国のエスカレートに慌てた政府は那覇地検に責任を押し付けた。もう一つは、中国が経済成長を背景に海軍力を急拡大させている問題だ。軍事的脅威は拡大を続ける。

夕刊フジ 2010/9/29


JAL再建案に「引当金」問題

 会計評論家の細野祐二氏が、日本航空の再建計画に“逆粉飾”があるとの論文を公表した。問題は「事業再構築引当金」が計上されている点で、実態より収益が好調であるかのように見せかける効果を持つ。本来なら109億円しか見込めない今年の営業利益を641億円に見せかけることが可能というのである。

夕刊フジ 2010/9/23


電波オークション導入の検討を

『「光の道」戦略大綱』は、無線の活用にも注力する方針を鮮明にした。ワイヤレスブロードバンドを実現するための周波数の確保に向けて、新たな枠組み作りを進める。地デジ化に伴う周波数移行で、周波数の跡地利用者に移設費用の負担を求めるもので、「本格的な電波オークションへの第一歩」とされる。

テレコミュニケーション October 2010


振興銀破綻で重責全うした江上社長

 日本振興銀行が初のペイオフの準備を進めている。大きな混乱もなく「管理ペイオフ」を実現し、不透明な銀行行政の温床だった「見えざる政府保証」の限界を証明した功績は大きい。預金者の銀行選別意識が高まるだろう。銀行も真摯な経営を迫られる時代に入ったと覚悟すべきである。

夕刊フジ 2010/9/15


JAL更生計画の3兆円浪費リスク

 日本航空と企業再生支援機構は、東京地裁に2ヶ月遅れで更生計画を提出した。驚くべきはリストラが不十分とされる中、機構が今後も「追加の財政上の支援」を行う用意があると明記した点だ。公的資金が回収リスクにさらされるだけに、東京地裁が容認するかどうか関心を集めている。

夕刊フジ 2010/9/8


15年ぶりの円高突入を放置した日銀 FOMCへの対応誤った白川総裁

 日銀がやっと重い腰をあげて金融緩和に踏み切った。8月に入ってからのFRBの大転換を見落とし、15年ぶりの円高突入を放置した失態は弁護できない。日銀には、ぎりぎりまで失敗隠し論が溢れていたという。保身優先で、産業空洞化に拍車をかける円高への危機感が欠けていた。白川総裁の責任は重大だ。

夕刊フジ 2010/9/1


田中委員会 民主党政権の郵政改革批判

 郵政民営化委員会の田中直毅委員長が「政府出資100%の金融機関が肥大化すると国益にならない」と発言し、話題を呼んでいる。しかし、正鵠を射た発言とは考えにくい。今のゆうちょやかんぽの最大の懸念は、急ピッチな資金流出に伴う縮小・破綻にあるからだ。

夕刊フジ 2010/8/26


オークション導入をめぐる議論の行方

 永田町から霞が関に対して、周波数の割り当てにオークションの導入を迫る議論が浮上してきた。地上波テレビ放送のデジタル化によって生まれる周波数の跡地利用で、携帯端末向けマルチメディア放送の委託通信事業者選定を総務省が主体的に行う代わりに、入札で決めるよう求める声があがったのだ。 

テレコミュニケーション September 2010


石炭はクリーンエネルギー

 「地球温暖化」対策を巡る議論には誤解が少なくない。CO2の排出削減という立場からの発電方式を見た場合、太陽光や原子力は善玉であり、化石燃料の火力は悪玉だというイメージもその種の誤解の典型例だ。石炭を温暖化対策に威力のあるクリーンエネルギーと理解している人は少ないのではないか。

夕刊フジ 2010/8/19


国際首脳会議で「日韓対決」

 日本が15年ぶりの議長国として横浜で開催するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談の直前に、韓国がソウルでG20首脳会議をぶつけてくる。両会合はそろって「世界の持続的な成長」が最大のテーマ。関連会議に出席うしてもらう欧米の大物経済人の囲い込みを中心に“競演”が始まっている。

夕刊フジ 2010/8/12


グーグル・ヤフーに甘過ぎる?割れる公取委判断への評価

 公正取引委員会が米グーグルとヤフー(ジャパン)のインターネット広告分野の提携を容認したことに欧米から強い批判の声があがっている。米司法省が2年前に消費者とユーザーの立場からグーグルと米ヤフーの提携に待ったをかけた前例は有名だけに、公取委はきちんと説明をする責任がある。

夕刊フジ 2010/8/5


米欧金融改革に厳しい評価も

 リーマン・ショックから1年10ヶ月あまりの歳月を費やし、米国で金融規制改革法がようやく成立した。が、市場では「次の金融危機の震源地」として欧州の銀行の経営に不信が高まっている。国家や地域と言った単位・垣根の範囲の中でしか、しかも後追いでしか、規制当局は対応を打ち出せない。

夕刊フジ 2010/7/29


「光の道」本格論戦は秋以降?

 政局がめまぐるしく動く中、ソフトバンクだけが「光の道」構想の最終報告へ向けて陳情に奔走していたという。同構想は、原口大臣個人の主導色が強く、来年春の通常国会での関連法規の抜本改正が前提となっていることから、今後の政権基盤が固まるまで、本格的な議論を再開できないとみられている。

テレコミュニケーション August 2010


振興銀江上新社長にエール

 返信には「なぜかトラブルの渦中にいます」とあり、旧知の人物がいたずらっ子のように笑う様子が浮かんだ。その人は、作家の江上剛氏、本名・小畠晴喜氏。前会長らの逮捕に揺れる日本振興銀行の社長を引き受けたばかりだ。再建するにしろ、幕引きするにしろ、同行に残されているのは茨の道である。

夕刊フジ 2010/7/22


ゆうパック遅配の本当の理由

 お中元シーズンにもかかわらず、「ゆうパック」の遅配続出という失態を犯した日本郵政グループ。この時期に無謀とも思えるJPエクスプレス社の統合を日本郵便が断行したのは、そもそもの合併内容が問題だらけだったことに起因する。責任を負わずに逃げおおせた旧経営陣の運の強さには舌を巻く。 

夕刊フジ 2010/7/15


法人減税は失業を減らせるか

 雇用を犠牲にして経済が回復している。経済見通しの上方修正と対照的に、失業率は3ヶ月連続で悪化し昨年暮れの水準に逆戻りした。雇用をコストの調整弁扱いする企業の非正規社員減らしが増えている。国内での新規雇用に対する税額控除、「積極的雇用への補助金」など知恵と工夫が求められる。 

夕刊フジ 2010/7/8


iPad狂騒曲の行方

 今度こそ、携帯情報端末はテイクオフして通信市場を変える起爆剤になるのだろうか。米アップル社のiPadは、わずか80日で販売台数が300万台を突破。一方、NTTドコモでは、Xperiaなどの携帯情報端末の利用が急増し、接続サービスが一時ダウンするほどアクセスが集中する事態になった。

夕刊フジ 2010/7/1


腰砕けになったSIMロック開放

 総務省の「SIMロック解除に関するガイドライン」案が不評を買っている。SIMロック解除に法的な義務を課さないばかりか、解除の対象を「2011年度以降に発売される端末のうち対応が可能なものから」と事業者任せの内容にとどめているため、「効果を期待できない」というのだ。

テレコミュニケーション July 2010


「光の道」の真実と舞台裏

 2015年までに全世帯が超高速ブロードバンド網に繋がる「光の道」構想を実現するための“中間報告書”がまとまった。競争促進を戦略の柱とするのがポイントで、追加策として、半年後を目途にオープン化の進展具合を検証し、必要ならNTTのアクセス網の構造分離を断行することも盛り込んだ。

テレコミュニケーション July 2010


JAL1000億円追加支援要請 更生計画のずさんさ露呈

 会社更生法適用を申請中の日本航空と、管財人の企業再生支援機構が、1000億円の追加支援を要請したことが明らかになった。主要行は強く反発しており、再建の難しさが改めて裏付けられた。巨額の公的資金を安易に注ぎ込んだ前原国交相らの責任を問うだけでなく、連鎖倒産の防止策が必要だ。

夕刊フジ 2010/6/24


存亡の危機迎えた振興銀

 日本振興銀行が存亡の危機を迎えた。「検査忌避」(銀行法違反)だけでなく、貸金業法や出資法などに違反した疑いがあるという。違法行為疑惑を生んだ背景にあるのは、「中小企業融資に特化する」という理念倒れの戦略だ。同じ新規参入組の新銀行東京も、相変わらず赤字体質を脱却していない。

夕刊フジ 2010/6/17


郵政法案は参院選後に仕切り直しを

 郵政改革法案は、政府関与を強める規定を持ち、欧米が世界貿易機関(WTO)への提訴も辞さないと反発しているのをはじめ、国家公務員法改正案や地球温暖化基本法などの法案も大きな問題を抱えている。まずは前政権の勇み足を点検してマニフェストを洗い直し、参院選で国民に問うべきだ。

夕刊フジ 2010/6/10


アップル時価総額世界一の落とし穴

90年代には経営危機に陥り、マイクロソフト(MS)の支援を受けたアップルが、ライバルを抜き去り、時価総額で世界最大のIT(情報通信)企業になった。一方で、かつてのMSのような危うさも現れ始めた。反トラスト法裁判に追われ、カリスマ創業者の引退で勢いを失ったMSの轍を踏みかねない瀬戸際にある。

夕刊フジ 2010/6/3


批判高まる郵政改革基本法案

 「民業圧迫」「WTO提訴」という警告を無視して、政府・連立与党は終盤国会で、「郵政改革基本法案」を強引に成立させる構えをみせている。しかし、日本郵政への「政府の関与」を強める同法案は、かつての日本航空のような国策会社に日本郵政をおとしめて、経営の先行きを危うくするものだ。 

夕刊フジ 2010/5/27


「構造分離」を難しくした孫社長

 「光の道構想」実現のため、NTTの経営形態の見直しも含めて検討してきたタスクフォース。十分な審議時間がないうえ、ヒアリングでの意見陳述が委員の慎重姿勢に拍車をかけた。孫社長が、(NTTからの)アクセス分離さえすれば、税金投入などをしなくても、すべてうまくいくかのような陳述をしたのだ。

テレコミュニケーション June 2010


「光の道」論議に影落とした意見陳述

 原口総務相のタスクフォースの中間報告原案には、(NTTの構造分離を)「1年後に」「再度検討」と記されていた。時間不足のうえ、ヒアリングで強硬なNTT分割論を述べたソフトバンク孫社長が提供を約したバックデータがなかなか開示されず、非開示の資料をもとにした議論はできない問題があった。

夕刊フジ 2010/5/20


本格始動した郵政民営化見直し

 日本郵政の斎藤社長は、非正規社員の正社員化やファミリー企業との取引見直しを柱とする経営見直し策を発表した。悪いことではない経営見直しに懸念を払拭できないのは、政治介入の問題があるからだ。日本郵政は、限度額拡大を獲得する代わりに、連立与党の選挙への協力を強いられることになった。

夕刊フジ 2010/5/12


審議入りできない放送法改正案

 デジタル時代に対応して60年ぶりに法体系を整理・統合する放送関係諸法の改正案が、廃案の危機に瀕している。その主因は、自民党が水面下で、NHK会長職を国会同意人事にする修正を迫っていること。しかし、これはNHKの「政治からの中立」を揺るがす「暴挙」で、政府・与党は頭をかかえている。

夕刊フジ 2010/4/28


JAL更生計画の提出期限守れない

 日本航空に投入した1兆円近い公的資金(税金)の回収が危うくなってきた。会社再建の試金石といえる管財人による東京地裁への更生計画の提出期限(6月末)が守られそうにないからだ。計画が遅れれば、資金が運転資金に流用され回収が難しくなるだけでなく、追加投入リスクも膨らむ。

夕刊フジ 2010/4/22


NTT再々編がタスクフォース争点に

 原口総務大臣は、ブロードバンド網の整備を加速する必要があると判断、それに関連してNTTの再々編問題の検討を指示した。焦点は、光ファイバーのアクセス網部門を分離・別会社化する「資本分離」など大胆な施策が必要なのか、社内障壁を設ける「業務分離」で十分かといった問題だ。

テレコミュニケーション May 2010


鉄鋼トップ2のアジア進出本格化

 新日本製鉄とJFEスチールが本格的にアジア諸国への進出を始めた。成長力のある市場の需要を取り込む戦略だが、日本からの輸出を増やす戦略と違い、国内の雇用に繋がらない面がある。政府が現在、成立を急いでいる温暖化対策基本法が雇用空洞化に拍車をかける恐れも大きい。

夕刊フジ 2010/4/8


中国「自動車マネー」の衝撃

 中国10位の自動車メーカー吉利汽車を傘下に持つ浙江吉利ホールディンググループが、スウェーデンの名門「ボルボ・カー」を買収することになった。今や世界最大の市場を手にした中国企業が膨大なキャッシュフローを獲得した点と、逆の場合は中国が排他的な外資規制を持っていることは見逃せない。

夕刊フジ 2010/4/8


亀井大臣に“私物化”される日本郵政

 日本郵政がついに、悲願の郵便貯金と簡易保険の限度額拡大を勝ち取った。その過程で目立ったのは、鳩山首相らとのパワーの違いをみせつけた亀井郵政改革担当相の豪腕ぶりだ。郵政を巡るドタバタ劇は、国策会社への回帰を選んだが故に破綻へ向かう会社の、長い物語の始まりかもしれない。

週刊朝日 2010/4/16


郵政で閣僚対立の裏にポスト鳩山

 亀井大臣がまとめた郵政改革案に、鳩山政権の閣僚から異論が噴出する騒ぎが起きた。問題の本質は、鳩山後継を伺う「国盗り物語」だ。日本郵政の強引な集票マシン化を進める亀井氏に、民主党の実力者たちが反発を示したのだ。参院選が7月に迫る中、郵政問題は大きな火種となる可能性がある。

夕刊フジ 2010/4/1


日本版エクソン・フロリオ条項構想

 原口総務大臣が光ファイバー網の全国展開を加速する「光の道構想」のとりまとめを指示したことを受けて、電気通信分野の政策・規制体系が大きく転換する可能性が出てきた。NTT法の緩和・撤廃が予想され、現行法の外資規制に代わりエクソン・フロリオ条項のNTT版を整備する案もある。

テレコミュニケーション April 2010


あきれた小泉民営化の実態

 やはり「かんぽの宿」は「チーム西川」に食い物にされる寸前だった―。あの西川前社長の更迭劇から約5ヶ月。会計検査院が公表した報告が、あきれた小泉郵政民営化の実態を裏付けた。これで一件落着と喜ぶのはまだ早い。鳩山政権でも、日本郵政の経営私物化が急ピッチで進んでいる。

週刊朝日 2010/4/2


国力低下を招く海外留学生減少

 米ハーバード大学のファウスト学長が来日し、もっと多くの日本人学生が同大学を受験するよう激励した。日本からの海外留学は、米国に限らず、全体として減る傾向にあるようだ。明治維新で留学生が国造りに果たした役割は多きかった。国内に閉じ籠もる草食系ばかりでは、日本の将来が心配。

夕刊フジ 2010/3/25


外国企業の日本撤退相次ぐ

 人口減少問題が、ついに外国企業の日本撤退や日本企業の拠点の海外移転といった産業空洞化を加速し始めた。この空洞化は国力を衰退させて、国民を養う経済力を弱める。鳩山政権は主要国に相手にされず効果の望めない「地球温暖化防止基本法」作りの半分の力でも、人口問題に振り向けるべきだ。

夕刊フジ 2010/3/18


安易な郵政“親方日の丸”改革

 地道に郵政改革の基本法案とりまとめに奔走する大塚耕平副大臣だが、バトンが渡る前の原案段階から法案の出来が悪過ぎた。最もまずいのは、国営回帰を志向する政府の出資問題だ。政府保有株の売却は財政再建の一助にもなる。日本版エクソン・フロリオ条項を設置すれば、後顧の憂いもなくなる。

夕刊フジ 2010/3/11


公聴会後も安心できないトヨタ

 米議会の公聴会を乗り切ったトヨタだが、油断は禁物。第一に電子制御装置の欠陥について、まだ疑念を払拭できていない。また、創業家出身で、神格化された豊田章男社長に、社内情報が上がりにくい問題が指摘されている。創業家への過剰な敬意は、企業のガバナンスを危うくするリスクを持つ。

夕刊フジ 2010/3/4


相次ぐNTT子会社の情報流用

 NTT西日本が業務改善命令を受けたのに続き、NTTドコモも総務省の調査を受けていることが判明した。両社とも、競争事業者との通信網の接続業務に付随して得た顧客情報を悪用したとされる。ドコモのケースでもドミナント規制では不十分と認定されれば、NTT分離・分割論が湧き上がりかねない。

テレコミュニケーション May 2010


哲学も戦略性もない公務員改革

 国家公務員法の改正案は、給与水準の改定や天下りの解消、定数の見直しが見送られたうえ、麻生内閣当時に廃案になった法案より後退した部分もある。芯の通った改革哲学がない、こんな「政治主導」では、優秀な人材が官僚に集まらず、国の弱体化に歯止めがかからないのではないだろうか。

夕刊フジ 2010/2/25


周知不足の貸金業法完全実施

 消費者ローンの借入総額を年収の3分の1までに制限する改正資金業法の完全施行が6月に迫っている。狙いは多重債務者の削減だが、周知不足のうえ借金減らしは容易でなく、自己破産や夜逃げが相次ぐ懸念がある。消費者金融に貸し込んでいる銀行の経営悪化が経済の足を引っ張る心配もある。

夕刊フジ 2010/2/18


「レジャーの王様」高級品苦戦もすそ野拡大図る

 国際フィッシングショーが今年も開かれる。世界経済の回復が遅れる中、何万円もする釣り竿や電動リールは売れ行きが伸びず、高級品に力を入れてきた大手メーカーは苦戦という。ただ、釣りには不況に強いレジャーという面もあり、業界では女性や子供などファンのすそ野拡大に努めている。

夕刊フジ 2010/2/11


評価真っ二つのオバマ金融規制

 オバマ大統領は「『大き過ぎて潰せない』銀行によって、米国の納税者が人質にされる事態は2度と起こさない」と述べ、金融機関の規模と業務の制限を打ち出した。将来の危機を予防する効果があるのか、それとも経済の活力を奪う愚作なのか。賛否を巡り、世界が真っ二つに割れている。

夕刊フジ 2010/2/4
郵政「国営」へ先祖返りの懸念

 「郵政改革基本法」作りが入り口で暗礁に乗り上げ、3月12日の法案提出期限を守れるか懸念する声があがっている。原因は、国営・公社時代への「先祖返り」を目指すかのような国民新党の姿勢だ。株式の政府保有によって経営安定化を狙うのは、連立3党が目指した「民営化の改革」と矛盾する。

夕刊フジ 2010/1/28


現実味増す「情報通信文化省」

 原口総務大臣は、情報通信に関する行政を「将来は独立した省にすべきだ」と発言、著作権も所管する「情報通信文化省」構想を打ち上げた。これに菅国家戦略担当大臣が同調。この際、電力、ガス、航空、鉄道なども取り込んだ公益事業省の設置こそ、経済活性化に効果的との見方もありそうだ。

テレコミュニケーション February 2010


JAL「2次破綻」の重大懸念 

 JALの再生プランは、削減する路線数が当初計画より減り、需要予測は甘いものに変質、出資をいつまでにどう回収するか(エグジットプラン)も決まっていない。「自主再建」と言いながら法的整理に追い込み、その責任さえ認めない前原国交大臣への不信感から、JAL離れが加速しかねない。

夕刊フジ 2010/1/21


日本航空・経営破綻 再生はいばらの道 

 かねて懸念されていた通り、中小企業の救済を目的に設立された企業再生支援機構には、JAL再生は重過ぎる荷物のようだ。再建計画は非常に甘いものを言わざるを得ず、指向したはずの米ゼネラル・モーターズのような「プレパッケージ(事前調整)型」の法的整理とは似ても似つかない。 

エコノミスト 2010/2/2


抜本見直し先送り公務員改革制度

 鳩山政権は、通常国会に提出する公務員制度改革法案のポイントを「国家戦略局」や「内閣人事局」の設置などに絞り込む方針で、懸案である労働基本権の見直しや早期退職を勧奨する人事慣行の是正といった法制整備は、秋以降に先送りする構え。参院選の“争点隠し”との批判も出ている。

夕刊フジ 2010/1/14


歯止めがなくなったJAL支援

 政府は日本航空の危機を取り繕うため、政投銀の融資枠を従来の2倍に拡大するなどの策を公表したが、再建策と呼ぶには程遠い内容。今回の信用不安で、丸抱え型支援に踏み切った前原国交相らの安易さと、法的整理をおおっぴらに打診した政府・再生機構の素人ぶりが浮き彫りになった。

夕刊フジ 2010/1/7