町田徹のホームページへようこそ
トップページへ
執筆記事2009
執筆記事2008
執筆記事2007
執筆記事2006
執筆記事2005
執筆記事2004
インターネットラジオ・有志のブログなどでの活動
 
新聞・雑素・テレビでのコメント
著作一覧
最近の出来事
Bookreview
 
 
コンタクトはこちらから



*システム障害はなぜ二度起きたか   2011年3月。東日本大震災がもたらした混乱のさ中に、
よく似た構図の2つのディザスター(大惨事)が進行して
いた。一つは福島第一原子力発電所の事故、もう一つは、
みずほ銀行のシステム障害である。
 よく知られているように、みずほが大規模なシステム
障害を起こしたのは、今回が初めてのことではない。
2002年4月の同行誕生の際にも、開業初日からトラブルが
発生、収束に1ヶ月以上を要した。
 なぜ、みずほは重い教訓を活かせず、システム障害を繰
り返したのか。本書は、情報システムの問題を鋭く分析し
ながら、その元凶がどこにあるか切り込んでいく。そして、
その元凶を放置すれば、遠からず、「三度目」が起こると
いう。
 福島原発事故にも当てはまる本書の警鐘には、すべての
日本人が無関心ではいられないはず。必読の1冊ではない
だろうか。
 
日経コンピュータ編
(2011年8月1日発行、日経BP社刊、1500円+税)



NTTの自縛   最近よく目にするNGN(次世代ネットワーク)とは、インターネットと同じプロトコルを利用して、一つの回線で固定・携帯電話、データ通信、映像まで提供する仕組みだ。NGNによって、音声や映像の品質が向上・高速化し、セキュリティーも強化される。しかも、通信会社はコストを削減できるので、ユーザー料金が下がる。
 NTTは2008年3月、この最新のネットワークのサービスを始める予定だ。財務が悪化しつつある同社にとって、収益構造を転換する切り札になるはずのNGNだが、筆者は「危機的な状況にある」という。NTT自ら「フレッツの後継」に過ぎないような印象を与えてしまっているからだ。
なぜか。筆者は、「『何がいくらでできるようになるのか』というユーザーの利便性」の視点が、NTTに決定的に欠けていることを指摘する。電話網のNGNへの転換、アクセスとなる光ファイバー三千万回線の敷設など「自己都合な目標」が優先されたために、新サービスの具体像がないのは当たり前だというのだ。
本著は、NTTのグループ会社に勤務経験があるジャーナリストの筆者が、「電話的価値観」にとらわれたNTTの現状を分析し、IP(インターネットプロトコル)時代に生き残れるかを検証している。NGNの未来を占ううえでも、一読をお勧めしたい。

 宗像誠之著・日経コミュニケーション監修
(2008年2月4日発行、日経BP社刊、 1800円+税)



円満退社 江上剛著   出世とは無縁の場末の大手銀行支店長、岩沢千秋(56歳)。34年の我慢の甲斐あって、彼は、めでたく定年退職を迎えた。今日一日を乗り切れば、念願の退職金を手に入れられるのである。ところが、神様は意地悪だ。至るところに、落とし穴が待っている。岩沢の足を引っ張るのは、愚妻や出来の悪い部下たちだけではない。破綻寸前の融資先、右翼の大物、金融庁の検査官…。岩沢は、絶体絶命のピンチを切り抜けられるのだろうか。
常に、新しい分野の開拓に意欲的な筆者だが、元エリート銀行員らしいリアリティと、読む者を安心させる人への優しい眼差しは健在だ。こういう小説が、多くの読者の共感を呼ぶのではないだろうか。

(2005年11月10日発行、幻冬社刊、1700円+税)