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* NTTの自縛
最近よく目にするNGN(次世代ネットワーク)とは、インターネットと同じプロトコルを利用して、一つの回線で固定・携帯電話、データ通信、映像まで提供する仕組みだ。NGNによって、音声や映像の品質が向上・高速化し、セキュリティーも強化される。しかも、通信会社はコストを削減できるので、ユーザー料金が下がる。
NTTは2008年3月、この最新のネットワークのサービスを始める予定だ。財務が悪化しつつある同社にとって、収益構造を転換する切り札になるはずのNGNだが、筆者は「危機的な状況にある」という。NTT自ら「フレッツの後継」に過ぎないような印象を与えてしまっているからだ。
なぜか。筆者は、「『何がいくらでできるようになるのか』というユーザーの利便性」の視点が、NTTに決定的に欠けていることを指摘する。電話網のNGNへの転換、アクセスとなる光ファイバー三千万回線の敷設など「自己都合な目標」が優先されたために、新サービスの具体像がないのは当たり前だというのだ。
本著は、NTTのグループ会社に勤務経験があるジャーナリストの筆者が、「電話的価値観」にとらわれたNTTの現状を分析し、IP(インターネットプロトコル)時代に生き残れるかを検証している。NGNの未来を占ううえでも、一読をお勧めしたい。
宗像誠之著・日経コミュニケーション監修
(2008年2月4日発行、日経BP社刊、 1800円+税)
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